2017.02.26
千駄ヶ谷群流データ可視化プロジェクト

インバウンド訪日客数は、2016年には中国、韓国を筆頭に、過去最高の2400万人に達し、その消費額は約3.5兆円と推定されている。政府は、2020年までに年間訪日客数4000万人、市場規模8兆円の達成を政策目標の一つとしている。加えて、2020東京オリパラでは、国内外からの競技者や観戦者など会場への来客数が1000万以上と予想されている。このような短時間で急激に局所的に集中する訪日客に対し、観光・回遊や防災・減災の現場でタイムリーに対応するには、人の集団の場所や移動、人数データを実時間で可視化するリアルタイム群流システムと、訪日外国人数データを実時間で公開するリアルタイム・オープンデータ化が必要である。具体的には、リアルタイムアクセス化と自治体及び商用基地局でのWi-Fデータや業務用Wi-Fiデータを収集し、連携させる「官民学データ連携基盤」と、このデータを統合的に管理する「人間・社会データ活用基盤」の構築が急務となる。津田塾総合政策研究所は、千駄ヶ谷における人間・社会データ基盤の構築を検討している。

図は、2017年2月26日開催の「東京マラソン2017」の当日、午前10時のスタート時と午後4時のゴール近傍における訪日観光客の群流を可視化したものである。マラソンコースから500m以内にいた訪日観光客が、どこに集中していて、時間とともにどこに向かったかなどを知ることができる。

東京マラソン2017 リアルタイム群流可視化映像

 

報告:曽根原 登

この記事のカテゴリ:ニュース研究所レポート
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